19,12月20日 日曜日 11時52分 喫茶「ドミノ」

19.mp3 ひととおり説明した赤松は手元に置いてあるメニューに目を通し、その中から定食を頼んだ。佐竹も赤松と同じものを頼む事にした。 「今になって考えてみれば、あいつがウチの店に来てから何度か警察が来た事があったわ。」 「警察が?」 「ああ。」 「警察が何をしに?」 胸ポケットにしまってあった煙草を取り出した佐竹はそれをテーブルに置いた。赤松に「どうぞ」と促された彼はそれを咥えて火をつけた。 「ほら俺の親父、6年前に事故で死んだやろう。」 紫煙を口から勢い良く吹き出しながら佐竹は頷く。 「そのことについて、母さんにいろいろ聞いとったんやって。」 「え?今更どうして…。」 赤松は手持ち無沙汰そうに自分の人差し指にできたタコのようなものをかりかりと左手でいじりながら話す。 「わからん。でも当時の事は母さんしかよく分からんからな。俺は京都でサラリーマンしとったし。」 「母さんに聞かなかったのか。」 「…聞いたけど、あんまり詳しく教えてくれんかった。事故当時は母さんも親父が死んだ事にかなりショック受けとったから、俺としてはそれ以上突っ込んで聞く気にはなれんかった。」 佐竹はそっと灰皿まで手を伸ばし、落ちそうになったタバコの灰を人差し指で軽く叩いて落とした。そして再度それに口をつけて吸い込んだ。 「だから、俺としては正直複雑なんやわ。この事件についてはにわかに信じる事ができんげん。」 「すまん。久しぶりにお前に会ったと思ったらこんな…

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