37,12月20日 日曜日 18時10分 古田宅

37.mp3 「部長と穴山と井上の接点というのは、こんなところや。」 「ふーん。…やるかやらないか…それが問題ってか…。」 「ああ。」 「んで、殺っちまったってか…。」 片倉は手にしていたノートを一旦畳んで、天を仰いだ。 「よしトシさん。要点を整理しよう。」 「ん?」 「一色は穴山と井上に何かしらの制裁を加えたかった。」 「うん。」 「そしてその制裁にはスピードが必要やった。」 「そうや。」 「仮に今回の事件がその制裁やったとせんけ。憎き豆泥棒(性犯罪者)は死んでめでたしめでたし。ほやけどスピードって点でどうや。」 「そうやなぁ、決して早いとは言えん。」 「穴山と井上を首尾よく殺したんはいい。だが、その後の桐本由香と間宮孝和はどうなる。こっちの方は一色と接点が見いだせん。」 ふたりとも黙ってしまった。 「片倉、ワシも初めは今のお前のように考えた。でも接点とかこだわっとると、なかなか自分の中のストーリーが展開していかんがや。」 そうならそうと先に言えと言わんばかりの憮然とした表情で、片倉は古田を見た。古田は片倉の顔を見て失笑し、話を続けた。 「すまん。まぁ聞いてくれや。さっき北高に行ってきたんや。」 古田は背広のポケットから幾重にか折りたたまれた何枚かのコピー用紙を取り出して、畳の上にそれを広げた。 「卒業アルバムの写や。全部で12枚ある。」 そのコピー用紙一枚毎に一名の卒業生の顔写真がコピーされていた。それぞれ写真の…

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