52,12月21日 月曜日 10時35分 喫茶ドミノ

52.mp3 「コンドウサトミって誰ねんて…。」 赤松剛志は誰に言うわけでもなく、コーヒーをすすりながら呟いた。 「自分の頭のなかだけで考えとっても整理できん…。」 そう言うと彼は胸元からヘミングウェイやピカソがかつて愛用していたメモ帳のようなものを取り出して、ペンを走らせ始めた。 ー6年前の事件のことをここに書き出してみよう。 赤松は父親の忠志を中心にしてそこから放射状に人物を書き出し始めた。先ずは6年前の事件の相関関係。マルホン建設とベアーズデベロップメント、そして本多善幸。その構造を知ったのが父。その情報を共有していたのが母の文子。誰が父に直接手を下したかはわからない。警察では事故で処理された父の死だったが、一色は事故ではないと言っていた。キーワードはコンドウサトミという架空の人物。500万の現金は回収されたはずなのに、なぜか再びウチへ戻ってきた。 この辺りまで書きだした赤松は筆を止めた。 ーここだよ…やっぱりここが気になる…。誰が500万をウチに持ってきたんや。 ため息をついて赤松は天を仰いだ。 「誰ですか。コンドウサトミさんって。」 野太い声が赤松の世界に割り込んできた。 「誰や。」 体勢を元通りにした赤松の目の前に、髪を短く刈り込んだ強面の男が立っていた。 「失礼しました。私こういうものです。」 「警察本部捜査2課…。」 「古田と申します。赤松剛志さんですね。」 突然自分の世界に割り込んできたかと…

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