53,12月21日 月曜日 10時22分 熨子山連続殺人事件捜査本部

53.mp3 「そうですか。その小西とかという目撃者の話によると、穴山と井上は18時の段階ですでに一緒にいたってことですね。」 部屋の一角に設けられた会議スペース。大きなテーブルに様々な資料が雑多に置かれ、その中心に位置する席は主である松永が外出中であるため空席であった。関はその空いた席の横に座り、捜査員から上がってきた情報の取捨選択に暇がなかった。 「目撃された田上から現場までどれくらいの時間がかかるんですか。」 「30分から40分といったところでしょうか。」 「ならば事件発生時刻までの空白の時間が生じる訳ですね。」 関は捜査本部に掲示されている金沢市の地図を眺めた。 「どうですか。熨子山までに彼らが時間を潰しそうな施設などは、この辺りにあるんでしょうか。」 「田上周辺には国立や私立の大学があることから、それなりに商業施設はあります。なので彼らがしばらくこの辺りに滞在していても何ら不自然なことはありません。」 捜査員の一人が関に答えた。 「よし。田上地区のめぼしい商業施設の防犯カメラを調べてください。聞き込みもやりましょう。彼らがなぜ一色に殺されなければならなかったのか、何かの手がかりになるかもしれない。」 「はっ。」 関の指示を受けて捜査員は駆け足で本部をあとにした。 「ほかに穴山と井上に関する情報はないですか。」 別の捜査員が手を挙げた。 「穴山と井上の共通の知人にコンタクトをとりました。」 「どうぞ。」 「あいつ…

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