58,12月21日 月曜日 12時45分 河北潟周辺

58.mp3 「何だって?お前はその刑事にそんなこと言ったのか。」 「ああ。」 「まったく何てことしてくれたんだ。」 「なんだよ。聞かれたことをその通り話して何が悪いんだ。」 「あのなぁ。俺はお前とは連絡とって無いって言ってしまったんだぞ。あぁ辻褄が合わなくなってるじくるじゃないか。」 「はぁ?なんでそんな嘘をつく必要があるんだよ。」 「いや…。」 確かに佐竹のいう通りだ。村上は佐竹に余計な面倒をかけたくないとの気持ちから片倉に嘘の答弁をした。警察から事情を聴取されたという佐竹からの連絡もなく、おそらく自分が最初の聴取対象であろうと踏んだのが間違いだった。まさか別の者が同じような時間帯に佐竹を聴取していようなどとは村上は想定していなかった。物理的に離れた環境にいる他者の気持ちを以心伝心で組めるほどの卓越した能力を持っている人物などいる訳もなく、村上は自分の軽率な言動を後悔した。 「他に何か聞かれなかったのか。」 「いや、俺は俺で年末のゴタゴタで忙しいから今日の晩にもう一回出直してくれって言っといた。」 「そうか。」 「なぁ、なんでお前そんな嘘ついたんだ。」 「いいだろお前には関係ない。」 「関係ないってなんだよ。おまえこそ変にあいつらに勘ぐられることになるぞ。」 ここで村上は昨晩談我での店主とのやり取りを思い出した。 「相手に黙って、こそこそするからダメなんじゃあ無いのかなぁ。なんて言うのかな、こうちゃんと向きあって、俺はこう思っている、君はどう思うって。…

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